精密加工の感覚

左:0.5Rボールエンドミル 28,000RPM 右:0.5Rラジアスエンドミル 2,700RPM
レーザー測定の結果段差は0.1μm未満です。

お客様とお話をさせて頂く中で、度々お伺いする言葉が御座います。「弊社はそんな精度物は扱っていないからなぁ」確かに図面等を拝見させて頂きますと標準公差に準ずるレベルの公差なのですが、よく見ると平行度で有ったり、表面粗度の指定が有ったりします。例えば日用品の製造に用いられるモールド金型。バケツや大きいものですと風呂桶等、若干寸法が異なっても使用上問題は発生しません。しかし、段差(平行度に含まれます)や製品の手触り(金型をトレースしますので表面粗度に依存します)には敏感です。想像して下さい。乱暴な例えですが、公差が±1mmであっても、平行平坦度5μm 表面粗度RAで20等の指定が有ったら、最終的に研磨や磨きで仕上げなければ到達できない領域です。そういった意味では図面を書かれた方がうまいのかもしれませんが、段差や加工誤差は許されないのと同じです。主に前述のお言葉は経営者の方から発せられることが多いのですが、現場はこれらの制約を達成させるために相当の労力・工数を費やしていることが多々ございます。ここにコストダウンのヒントが有るように思えます。研磨や磨きの工程が無人で圧縮されたらどの程度のコスト削減になるかを試算されますと検討の種になるかと存じます。本製品は精度物を製作するために使用される例は全体の3%です。97%は上記のように一般的な製品を自動で、あるいは誰でも製作できるように使用されている例となっております。

 

2017年11月08日