FM処理

FINE METALLICITY処理
FM処理とは、合金鋼の表層内外に硬化層を形成する特殊コーティング処理です。

FM処理は、高真空炉内で金属表面に特殊合金分子(注1)を電子銃で打ち込むことにより母材の表層を融合硬化し(注2)、更に特殊コーティング層(注3)を形成させる処理工法です。
 


《 特徴 》
 ●FM処理は、殆どの金属に処理が可能です。
 ●FM処理は、母材の内部にも浸透するコーティングなので、剥がれや脱落などは起きません。
 ●FM処理後のワークは、表面硬度2000Hv(ビッカース)以上となります。
 ●FM処理後のワークは、摩擦係数をクロムメッキと比べ約1/6へ減少させます。
 ●FM処理後のワークは、《ゴミ》が付着しにくくなり、さらに錆びなくなります。
 ●FM処理は、超硬で銅やりん青銅をカットやパンチした時に起こる不具合(注4)を防止します。

《 効果 》
  FM処理を御採用頂きますと、金型や磨耗する冶工具の寿命が平均6倍以上延びますので、
  製造ラインのコストダウンを図れます。

  納入事例(一部抜粋)

製品名 材質 処理方法 実績効果
IC製造用ポケット、コレット 超硬 G3 FM処理 非処理の6倍以上使用可能
IC製造用タイバーカットパンチ,ダイ 超硬 S1 FM処理 非処理の6倍以上使用可能
粉末成形用パンチ 超硬 G2 FM処理 非処理の3倍以上使用可能


(注1) 特殊合金分子とは、マイナスイオンを持った単一元素の複合体です。
(注2)母材の内部に10ミクロンの硬化層を形成します。
(注3)特殊コーティング層(チタン、クロム、タングステンカーバイド等の複合合金)は、
   2ミクロン単位で15ミクロンまで形成できます。
(注4)不具合とは、銅の-電子を超硬に含まれるコバルトが受取りもろく変性してしまう現象
   をいいます。その結果主原料のタングステンカーバイドが、剥がれ落ちてしまいます。
   この現象をチッピングと呼び、一般的に磨耗したと表現します。
  
  対象ワークは御支給下さい。また、製造図面を頂ければ製造・加工からお受け致します。

2018年04月09日